がんで生じるあらゆる悩みが
相談できる社会を目指して

*がんと診断された時からの相談支援事業は、平成27年度をもって終了しました。


 がんと診断されると、患者さんやご家族は多くの悩みや不安に直面します。厚生労働省では全国約400のがん診療連携拠点病院に「がん相談支援センター」を設けて対応していますが、治療面だけでなく、仕事や暮らし、介護の問題など、悩みや不安も多様化し、これまでのがん相談支援センターだけでは対応が難しい場合も出てきています。
 そうした悩みや不安の解消に向け、厚生労働省では平成23年度から「地域統括相談支援センター」という、多種多様な相談窓口と連携をとりながら、がん患者・家族の方々からの相談をサポートするセンターの設置事業を進めています。しかし、その周知が十分ではなく、その実施状況もよくわかっていませんでした。そこで厚生労働省では、この「地域統括相談支援センター」の普及と活性化を検討するために、平成26年度と平成27年度に日本対がん協会への委託事業として「がんと診断された時からの相談支援事業」を実施しました。
 この事業では、がん相談にかかわる医療者やがん経験者からなる「がんと診断された時からの相談支援検討委員会」を立ち上げ、「地域統括相談支援センター」を設置した先行自治体への訪問調査や、がん経験者の相談ニーズを探る調査など、各種調査を実施しながら、「地域統括相談支援センター」のあり方を中心に、患者さんやご家族の方々に信頼される相談支援体制のあり方について、議論を重ねてきました。その検討の結果を平成27年度の報告書としてまとめました。併せてこの事業で実施したシンポジウムの動画や、各地の地域統括相談支援センターの一覧表なども掲載しましたのでご活用ください。